水のコラム
冬の水道管凍結は防げる!凍結防止ヒーターのススメ
冬になると発生する水道管トラブルのひとつが「凍結」です。水道管が凍結してしまうと、水をいつものように使用できないだけでなく、水道管が破裂する可能性があり危険です。水道管が凍結してから対処するのではなく、本格的な冬を迎える前に凍結防止策を講じましょう。今回は、水道管の凍結防止アイテムとして寒冷地で使用されている「凍結防止ヒーター」の使い方や注意点を解説します。
凍結防止ヒーターとは?
凍結防止ヒーターとは、主に寒冷地で使用されている、水道管の凍結を防止するアイテムです。水道管にヒーター線を巻きつけて使用し、常に水道管を温めることで凍結を防止します。
・凍結防止ヒーターの種類
凍結防止ヒーターにはさまざまな種類があります。水道管の材質や長さに応じて使い分ける必要があるためです。水道管の材質は、かつては鋼や銅などの金属が主流でしたが、現在は樹脂製の塩ビ管が広く普及しています。そこで、凍結防止ヒーターも大まかに分類すると「金属配管用」と「樹脂配管用」が販売されているため、設置場所に適したものを選ぶ必要があります。
・運転方法による違い
凍結防止ヒーターは、運転方法によってニクロム線ヒーター型と自己温度制御型に分類できます。それぞれの特徴を下記の表でご紹介します。
特徴 | |
ニクロム線ヒーター型 | ・設置したサーモスタットが温度検知を行い、配管温度や外気温に従って運転と停止を繰り返す ・配管温度検知式と外気温検知式に分けられる ・外気温検知式のほうが、電力消費が多いとされている |
自己温度制御型 | ・配管や外気といった区別なく、寒くなると発熱するタイプ ・基本的に通電しているため、電力消費量は多い ・サーモスタットを取り付けることで通電時間を少なくできる |
凍結防止ヒーターにはさまざまな種類があり、消費電力や作動検知方式、パイロットランプの有無などを確認したうえで選定する必要があります。難しいと感じたら、専門業者に任せるのもひとつの方法です。
凍結防止ヒーター購入時の注意点
凍結防止ヒーターを購入する際の注意点は、主に以下の2つです。
〇水道管の仕様を確認する
〇水道管の径をチェックする
水道管の仕様、主にパイプの材質や長さの確認は重要です。たとえば、樹脂製の水道管に金属配管用の凍結防止ヒーターを設置すると、十分な効果が期待できないだけでなくパイプ本体を傷つける可能性があります。実際にパイプの軟化や亀裂などのトラブルが発生しています。また、凍結防止ヒーターを重ねて設置することは基本的に禁止されているため、長さが足りないものを選んでしまうと買い直さなければなりません。
水道管の仕様を確認する際は、あわせて水道管の径も調べておきましょう。家庭用の水道管の径は、JIS規格によって13ミリ(2分の1)もしくは20ミリ(4分の3)と定められています。異なる径の凍結防止ヒーターを購入してしまうと、取り付けることができないため注意しましょう。
凍結防止ヒーターの巻き方
凍結防止ヒーターを巻く際は、一定の間隔を空けて緩く巻くことが重要です。密集して巻いてしまうと、水道管本体を傷つける可能性があります。また、前述の通り、凍結防止ヒーターは基本的に重ねて使用することは認められていません。
温度を感知するサーモスタットを取り付ける場合は、全体の中央部に設置しましょう。無理に巻くことはせず、水道管に沿わせる形で設置できれば十分です。他の熱源に近いと正確に温度を完治できないため、熱源からは遠ざけるのがポイントです。ヒーター線とサーモスタットを巻き終えたら、ビニルテープなどで固定しましょう。最後に保温テープを取り付けたら完了です。
電気代には注意が必要
冬に発生する水道管の凍結は、凍結防止ヒーターを設置することで予防が可能です。しかし、月々発生する電気代には注意が必要です。
凍結防止ヒーターの消費電力は、1メートルあたり13ワットほどといわれています。水道管に巻きつける場合は、1.5倍の長さが必要になるため、2メートルの水道管に巻きつけるとおよそ39ワットの電力を消費します。凍結防止ヒーターの設置が必要な水道管が10本ある場合、消費電力は約390ワットとなり、洗濯機やウォシュレットと同等の電力を消費している計算です。
電気料金はお住まいの地域によって異なりますが、寒冷地ではほぼ1日中稼働することになるため、電気代の高騰の要因となります。冬場の電気代が急に高くなったら、凍結防止ヒーターが原因かもしれません。
まとめ
凍結防止ヒーターは、寒冷地の水道管の凍結防止に効果が期待できます。しかし、配管の素材や長さに応じて適切に選ぶ必要があります。少しでも難しいと感じたら、専門業者に任せるのが安心です。
弊社では、水道管の凍結など水回りのトラブルの解決にあたっています。凍結防止ヒーターに関するお悩みを承っていますので、不明点があれば当社までお電話ください。
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